タベルナ バラッカ <みつまめ>
タベルナ バラッカ @赤坂 みつまめ ★★★
お仕事関係の女性と3人でスペイン料理を食べた。
おすすめは…
●マッシュルームのオリーブオイル焼き
マッシュルームのぶつ切りをオリーブオイルソースにひたして焼いたもの。
ソースはエスカルゴのやつみたいな感じかな。
竹串であつあつのマッシュルームをさして頂く。
フランスパンをソースにひたしても○。
●シーフードのスペシャルパエリア
他のパエリアよりちょっと高いけど、ゴージャス。
ホタテとかエビとかゴロゴロ入ってるの。
お酒にごはんに、おしゃべりがすすむ。
恋バナやら、なんやら、かんやら。
ただ、おしゃべりに集中しすぎて、ついついご飯が冷めがちだったのだ。
ご飯はアツアツのうちに頂かないと、魅力が半減するよね。
ひとり¥6000なり。
お酒は3杯くらいしか飲んでないから、ちょっとお高めか。
まあ、赤坂だしにゃ。
年上の女性がとてもいい話をしてくれた。
”人生時間”という考え方があって、人生80年を1日、すなわち24時間と考えるんだって。
(コーチングの考え方らしい)
年齢を3で割ってみる。
例えば、27歳の私は27÷3=9…今は人生の午前9時にいる、ってこと。
今会社に出勤したくらい。
そう考えると、60歳まで働くと20時だから、ちょい残業って感じ?
役員とかになると21時、人より多く働くと。
「だから、人生これからが本番よ」
あせることはないのだ、と言われた。
私としては、スタートダッシュで午前中に仕事をがんばっておきたい感じかな。
でもコンスタントに人生を続けていかなくちゃな、と思う。
私はあきっぽいし、すぐ息切れしちゃうから。
『図書館の神様』 <みつまめ>
『図書館の神様』 瀬尾まい子 みつまめ★★★
何度も何度も静かな涙があふれます。
23歳の清(きよ、いい名前だ)。
高校生のときにバレーボールのキャプテンをしていたのだけど、試合で失敗した同期を責め、彼女は自殺してしまう。
それいらい、彼女はバレーボールをやめ、彼女の青春時代は終わった。
そんな主人公が、田舎の中学校で国語講師をし、文芸部の顧問になった。
文芸部の部員はたったひとり。垣内君。
彼もまた、心にキズをもった少年だった。
私たちはただ生きているだけで、とてもキズつく。
悪気のないひとことや、相手の思いがけないリアクション、ただ生きていることだけで魂はキズつくのだと思う。
この本は、そのキズは癒しえるのだ、と魂の救済を物語る。
とても静かに。とても優しく。
瀬尾まい子という作家は不思議な力を持っている。
たんたんと優しく、涙が出るような話を書いちゃうから。
弟の存在がとてもいい。
弟が清の前で泣いたのはただ一度だけ。
小さいころ、体の弱い清がチョコレートを食べて、頭痛で倒れたのを見て、「なんで、なにも悪いことしてないのに、きいちゃんは頭が痛くなっちゃうの?」と泣いたのだと。
最後の垣内くんの演説もいい。
文学によって彼が得たものを、彼自身の言葉で話すのだ。
「そうだ、だから私も本を読むのだ」と思ってさめざめと涙が出た。
そういった挿話が心を震わせて、私は静かな涙を何度も流してしまった。
あと、いいのは、魂を救ってくれるのが、男の愛ではないということ。
それ以外のものがちゃんと救ってくれるからこの物語はとてもステキだと思う。
Rahmens presents Golden Balls Live <みつまめ>
『Rahmens presents Golden Balls Live』@アートスフィア みつまめ★★
片桐 仁 小林賢太郎(ラーメンズ)
久ヶ沢徹 西田征史 野間口徹
ラーメンズと他3名の役者を加えてのギャグオムニバス。
音楽がFPMの田中さん、スタイリングが伊賀大介、とかなりおしゃれスタッフ。
多摩美卒の片桐氏の絵をもとにした、かなりアーティステックな舞台装置だった。
舞台装置は本当にすごいと思ったな。
モノトーンで描かれていた絵だけど、開演前にはライティングで極彩色に染まっていたの。
何か、起こりそうな、そんな予感を与えてくれる絵だった。
演劇と笑いをミックスした内容で、笑えたし、おもしろかった。
言葉や語感を遊んだもの、ばかばかしく懐かしいギャグ、その中に演劇の手法が上手に生かされている。
ぜいたくで質の高い笑いだな、と思う。
ラーメンズの公演チケットはとてもとりにくいのだそう。
確かに、熱狂的なファンがいることに納得。
テレビでは観られない、ぜいたくで丁寧な作りこんだ笑いは、ここでしか見られないのだろう。
片桐氏、小林氏にしても、お笑い芸人というより、役者然としたところがあるし。
もともと『お笑いオンエアバトル』などで、名をはせた彼らだけど、テレビではなく、舞台という道をあえて選んでいるもよう。
それは、テレビというメディアでは自分たちがやりたいことを表現しきれないからなんだろうな。
その姿勢にはとても好感がもてる。
ただ、お芝居を観始めてわかったことなんだけど、(前からちょっとは気づいていたんだけど)、私は”笑い”という行為に対してモチベーションがとても低いみたい。
”笑い”より、”泣く”とか”怒り”とか”感動”とかどちらかというとネガティブなものに、より心ひかれ、心動かされるようだ。
おもしろかったし、たくさん笑ったけれど、あまり心動かなかったわけです。
サヴォイ <みつまめ>
サヴォイ @中目黒 みつまめ★★★★
「サヴォイにピザを食べに行くけど、来ない?」
って誘い文句としては最高だ、と思う。
えーいっ!と仕事をほっぽりだして、中目黒にタクシーで向かう。
会社の大先輩と後輩と3人、ピザとワインで乾杯。
サヴォイのことは、雑誌やネットで知っていて、でも行ったことはなかったの。
おいしかった!!
とっても!!
もちもちとした生地に鮮やかな香りのトマトとバジル。モッツアレラチーズがとってもマイルド!
軽やかな味で、3人で5枚くらいはいただいちゃった。
いくら食べても飽きないんだよなあ。不思議。
おつまみにした生ハムやオリーブもおみごと。
ドライトマトもおいしかった。
キリリと冷やした白ワインをジュースみたいにごくごく飲んでしまう。
(私はビールも飲みたかったけど、飲ませてもらえなかった)
そういえば、私はチーズが苦手だし、ピザも大好き、ってわけじゃないけど、
「サヴォイでピザを食べよう」
って言われたら、また何もかもを捨てて飛んでいってしまうかもしれないナ、なんて思う。
FUJI ROCK FESTIVAL 05 3日目 <みつまめ>
みつまめ
● special others フィールドオブへブン
● bonobos フィールドオブへブン
● くるり グリーンステージ
● Beach Boys グリーンステージ
● BOON BOON SATELITES ホワイトステージ
● NEW ORDER グリーンステージ
● Siger Los ホワイトステージ
● Primal screem グリーンステージ
● QUATRO ルーキーアゴーゴー
ついに3日目。あっというまの3日間だったな。と朝から寂しく思ったりする。
まずは、フィールドオブへブンに『スペシャルアザーズ』を聴きにいく。
初めて聴いたけど、すごくよかった。
私はたくさんジャンプして、たくさん踊った。
でもあれだね、彼らは歌わないほうがいいかもしれないなあ。
ラストは”BEN”。疾走感に身をゆだねる。
終わると同時にダッシュでステージの前へ。
『ボノボ』をいちばん前で観るために、ビールで乾杯しながら場所とりする。
今日はとても天気がよくて、気持ちがせいせいとする。『ボノボ』は始め、ライブよりCDのほうがいいかな、って思ったけれど、だんだんとやっぱりライブもいいかもなあ、と思い直す。
ヘブンの雰囲気にとてもあっていて、いい気持ちになる。生ぬるい音に風に踊りながら溶けてしまいそうだ。ラストは”サンキューフォーザミュジック”。
手拍子でリズムをとりながら、大きな声で観客が声をそろえて歌う。なんだか胸がいっぱいになって、涙が出た。
ありがとう、音楽。
ありがとう、音楽を奏でる人たち。
ありがとう、ボノボ。
ありがとう、みんな。
Thank you for the music 、the music fly up!
グリーンでは『くるり』が待っていた。岸田君のご機嫌は上々。
グリーンステージってロッカーにとっては特別な場所なんだろうなあ!
くるりはライブがへたくそだと思っていたけれど、今日はちがった。
今まで観た中でいちばんいいライブだった気がする。
”ばらの花”を歌ってくれた。
私のいちばん好きな歌だ。
この歌を聴くと私はいつも好きな人に好きだと言えなかった気持ちを思い出す。
一昨年、ホワイトステージで聴いたことを思い出したら、泣けて泣けてしかたがなかった。
私にとってとても大切な曲だ。
ラストは”東京”だった。
これもまた私は鼻水が出るほど泣けた。
すごくよかった。
”東京”は私にさまざまなこと思い出させた。
『くるり』、ありがとう。岸田君、ありがとう。
”東京”という歌はすごい歌だなあ、と思う。
「”東京”を歌った歌はたくさんあるけれど、”東京”とタイトルがついた歌のどれもが実は故郷を歌ったものだ」と先輩は言った。しかり。そして。
私は東京生まれ東京育ちだから、故郷はないの。
でも”東京”を聴いていたら、今まで自分が失ったもの、切り捨ててきたもののことを思い出した。
別れてしまった彼のこと、純粋な気持ち、海で見た夕焼け、ひたむきな優しさ…私はもうこんなにも遠くに来てしまったのだと。
もうあの場所へは戻れないのだと。
『くるり』の”東京”は、人に失ったものを思い出させるものすごい引力を持っている。
ここでほぼ私のフジロック3日目は終わり。
”サンキューフォーザミュージック”と”ばらの花”と”東京”を聴けたから、もうじゅうぶん満足した。
グリーンに戻ったら、3日目だけに参加の仲間たちがたくさん集まっていて、ハイネケンでかんぱーい!
『ビーチボーイズ』のおじいちゃんたちの演奏で踊る。
この時代の音楽って、踊るのにぴったり。
みんなでディスコっぽく踊った。
高校生のときに”ペットサウンズ”を聴いてたから、なつかしかった。
もちろん、”ペットサウンズ”の曲はやらなかったけれど。
『ブーンブーンサテライト』を流して、朝霧食堂でタイラーメンを食べた。
雨宿りしながら、マラソン部の男の子たちをナンパした。
「20歳くらいですか?」ってごますりされちゃうほど、私はもう年なんだなあ!と思った。
『ニューオーダー』は私にとっては『オールドオーダー』(古い秩序?)だったので、ホワイトの『シガーロス』へ。”世界で最も美しい音楽”に酔いしれ、立ったまま眠る。
『プライマルスクリーム』をバックに、仲間の誕生日を盛大に祝う。
夜だけど、踊って暑いからビールがおいしかった。
ルーキーで『クワトロ』を観る。ビジュアルのかわいい男の子たち。
ほろ酔いで火照った体をスイカを食べながら帰る。
力をふりしぼって、お風呂に入り、眠った。
FUJI ROCK FESTIVAL 05 2日目<みつまめ>
みつまめ
● Eddi Reader ジプシーアバロン
● 100s オレンジコート
● 東京スカパラダイスオーケストラ グリーンステージ
● クラムボン レッドマーキー
● Beck グリーンステージ
● SAKE ROCK 苗場食堂
● FatBoy Slim グリーンステージ
● TOWA TEI レッドマーキー
寝坊して、ゆっくりと会場に入る。
グリーンでは『SHARBETS』が始まるところだったけれど、浅井健一は観ずに、『エディ・リーダー』を観に歩く。
昨日観たのがとてもよかったから、もう一度彼女に会いたいと思って。
アバロンに着くころには雨が降り始め、どしゃぶりに。
ぐじゃぐじゃの芝生に座り込み、じっと彼女の歌に耳を傾ける。
エディ・リーダーの歌声はやっぱり雨を呼ぶのかしら…。
歌声が大きくなるほどに雨は強くなり、カッパ越しではカッパを打つ雨音の方が大きいくらい。
そして、彼女はカーペンターズの雨の歌を歌ってくれた。雨じゃなくて、晴れるような歌を歌ってよ…と思ったけれど。
オレンジコートに移動。『100s』を待つ。
リアル中村くんは思った以上に小さくてびっくりした。
そして、体も心も弱そうな男の子。
高校生の時にちょうど“金字塔”を出して、オリーブで読んだインタビューが忘れられない。
確か黒と白のウサギを飼っている、と言っていた。
男の子のファンがものすごく多かった。
ソロの時代の歌も歌っていた。
雨がやんだのをよいことに、すげー油ののった豚トロ丼を食す。
人をかきわけかきわけ、グリーンステージに息も絶え絶えもどり、ひと休み。
ちょっと昼寝したあとは、スカパラのステージだ。
名曲ぞろいで、私も踊り狂う。
あれだけの観客をこんなにアゲられるなんて大したものだなあ。
アンコールはやっぱりカーペンターズ。…ステキだけど…だから、晴れるような曲にしてってば!
オアシスに移動して、おやつの時間。
温かいカルーアミルクを飲みながら、笹団子を食べる。
そして、『クラムボン』。”パンと蜜をめしあがれ”からスタート。MCで郁子ちゃんが「プロポーズされました!」って言ったんだけど、その後が聞こえず。ほんとの話なのか、冗談なのか…。
クラムボンに後ろ髪ひかれながら、グリーンにもどる。
『べック』のステージは始まっていて、会場は総立ちだった。ダッシュ!
べックってこんなにかっこよかったんだー!と感心しちゃうほどだった。
まずべックその人が美男子。
弾き語りでは映画『エターナルサンシャイン』の主題歌を歌ってくれた。
私は観たばかりだったから、すっかり感動してしまった。
映画も音楽も素晴らしい作品です。
先輩大プッシュの『SAKEROCK』(ファットボーイファット)を見るべく、苗場食堂に移動。
時間前からしっかり場所取り。
ものすごい勢いの雷雨を浴びながら、コントあり、ヘンテコな踊りありの楽しいライブ。ボーカルのハマケンが髪をモヒカンにして臨んだライブはユニークで、せまい苗場食堂が燃えた。
そして、グリーンのはじっこで、2日目のハイライト『ファットボーイスリム』で踊る。
スマイルのボールがステージからぼこぼこ落ちてくる。
最後に流れたスマイルのアニメーションに合わせて、5倍速で踊り狂う私たち。
疲れ果てたけれど、知り合いとオアシスで待ち合わせした。
ホットワインで乾杯して、自分たちが観たライブの感想を話し合う。
彼は音楽にとても詳しくて、私の質問に次々と答えてくれる。
そして、レッドの『テイトウワ』へ。またしても踊る。彼の踊りはサイコーにアグレッシブで、私は笑いながらもいっしょに踊りを楽しんだ。
屋久島の話をしながら帰路につく。
宿のおふろはとっても混んでいて、洗い場を待ちながら、裸で知らない女の子と「今日のベストアクトは?」と話し合った。
彼女は「サンボマスターとブラフマンがよかった」と言っていた。
2日目はずーっと雨に降られた日だった。
私はフジロック用にとってもオシャレをしていったのに、結局上下ともカッパを着ていて、オシャレは日の目を見なかった。
FUJI ROCK FESTIVAL 05 1日目<みつまめ>
みつまめ
フジロックに行ってきた。
今年で3回目のフジ。行こうかどうか最後まで迷ったけれど、結局3日間しっかり参加することにした。
1日目
●Your Song Is Good ホワイトステージ
●Eddi Reader オレンジコート
●Lisa Loeb オレンジコート
●The Music グリーンステージ
●Cold play グリーンステージ
●忌野清史郎 ホワイトステージ
朝6時半に新宿出発の高速バスで苗場に向かう。
昔はいつでもどこでも寝られる子だったのに、最近は神経が過敏になって、移動中や旅行先ではなかなか寝付けないことが多い。結局、3時間をぼんやりと過ごす。
苗場に到着し、荷物を宿に置き、会場へ。
今年も来てしまったなあ、と思う。
どきどきする。
グリーンステージに大きな大きなシートを敷き、ホワイトステージへダッシュ! 『ユアソン』のラスト2曲をかろうじて聴くことができた。CDよりもずっと楽しい感じ。ちゃんと最初から観たかったなあ。
みんなと一度別れ、朝霧食堂でグリーンカレーを食べた。暑いし、カレーは辛いし、ひとりで「からいからい」と汗をかきかき。
いざ、オレンジコートへ。ねらってたリサ・ローブの前の『エディ・リーダー』を観る。これがとても素晴らしくて、私はうっとり。高台に座り込んで、聴き込む。きれいで流れるような歌声はそよ風のよう。
エディ・リーダーの歌声は雨を呼んだ。雨っていうかスコール。どうしようかと思ったけれど、雨よけできる場所もなく、待ち時間もイヤになるほどたっぷりあるから、カッパを着こんで、ザーザーの雨をカッパ越しに感じながら、ステージの前でじっと待つ。
そして、雨が弱まったころ、お待ちかねの『リサ・ローブ』。最前列で観てしまった。
そんなにファンでもないのに、恐縮、と思いつつ。
なぜリサ・ローブなのかというと、学生時代に友だちが作ってくれたテープに入っていた歌がとてもステキで、私はアルバムを買って、ときどき聴いていたのです。
リサはメガネの似合う、ちょっと神経質そうなキュートな女の子だった。
新しいアルバムから何曲か、それから映画『リアリティ・バイツ』の主題歌“STAY”を歌ってくれた。なんだかいろんなことを思い出して胸がいっぱいになる。~stay with me♪
最後はリサが好きだという“どんぐりころころ”の歌をみんなで大輪唱した。
リサ・ローブを口ずさみながらとぼとぼとグリーンステージまで歩く。途中でクレープを買って食べながら歩く。大きいシートには仲間が戻ってきていて、みんなで『ミュージック』を観る。すげーかっこよかった。普通にクールなロックだから、私はぜんぜん好きな感じじゃないけど、それでもかっこいいと思った。
『コールドプレイ』もかっこいいけど、もうちょっとかっこつけな感じ。グウィネス・パルトロウの夫であるボーカルもとてもかっこいいし。ピアノの音が入って、おしゃれっぽい。
1日目のラストはホワイトステージの『忌野清志郎』。
「愛し合ってるかい?ベイベー」
ホワイトのいちばん後ろからステージ全体を見渡す。
私にとっては1日目のベストアクトだったかも。
音楽生活35周年を迎える55歳…だなんて信じられないパワー。キラキラの服に身を包んで、ステージを縦横無尽に走りまわる。声量、声の伸びもすごい。
いちばん後ろのお客さんまでが、両腕を伸ばして拍手し、大きな声で”雨上がりの空に”を大合唱した。
何度も何度も「愛してる」という彼。
彼の歌に愛された、と思った。
愛だとか、戦争はダメだとか、原発反対だとか、くさいことも、35年間も言い続けてきた彼に言われると、「ああ、そうなんだな」って素直に思えてしまう。
「憎しみを持たない子供たちがそろそろ生まれてきてもいいはずだ」
「つらいことも悲しいこともうれしいことも楽しいことも全部知りたい」
と彼は歌っていて、その言葉は今も私の中に染み付いている。
彼もまた、音楽で世界を変えたいと思って歌い続けてきた人なのだろう、ベイベー。
くたくたになって、1時過ぎに宿に戻り、泥のように眠った。
私はロックはそんなに好きじゃない。とくに洋楽はあんまり聴かないし。
だったらフジロックじゃなくて、ライジングサンとかにいけばいいんだけど、ほんとは。
でも、会社の人に連れられて初めてフジに行ったとき、私はすっかりやられてしまったのだ、あのフリーな雰囲気に。
広い広い会場。深い緑。さえぎるもののない大きな空。そこに流れる音楽。
自然の中で聴く音楽がこんなに素晴らしいものだとは知らなくて、私は洗礼を受けてしまったの。
そして、今年も結局来てしまったのだ。
全てが終わってこうして、振り返ると夢のように楽しく思えるから不思議。
あそこにいくと心身ともにオープンになって、旅をしている気分になる。
実際にフジロックは旅なんだな、きっと。音楽の森への。
『十二夜』<みつまめ>
『NINAGAWA 十二夜』 歌舞伎座 みつまめ★★★★★
波主膳之助/獅子丸実は琵琶姫 尾上菊之助
丸尾坊太夫/捨助 尾上菊五郎
麻阿/市川亀治郎
右大弁安藤英竹/尾上松緑
織笛姫/中村時蔵
シェイクスピアの喜劇『十二夜』を菊之助が演じ、蜷川幸雄が演出する。
ミラーを使った演出は息をのむほどに美しく。
日本の古い楽器の合間に流れるチェンバロの音色。
シェイクスピアと歌舞伎の融合が見事になされていたと思う。
とても楽しいお話で、私はおなかを抱えてゲラゲラ笑ってしまった。
そして、すっかり美しくたくましい菊之助のファンに。
歌舞伎ってぜいたくな娯楽だ。
豪華絢爛な衣装と舞台。エリートな役者。すべてライブの音楽。
昔の日本の文化は本当に豊かなものだったのだ、と思う。
『東京タワー』<みつまめ>
『東京タワー』 リリー・フランキー みつまめ★★★★★
どうしたらよりよくより深く生きられるのか―いつもそんな風に思ってる。
でも、よく深く生きるのは本当に難しい。その答えのひとつはここにあると思った。
深く愛されること。深く愛すること。
『東京タワー』はリリーと母(おかん)、そしてときどき父(おとん)の物語だ。リリーの半生記が母との関係を軸にして描かれている。
驚くべきは、おかんのリリーに対する強くやさしく深い愛と、リリーのおかんへの愛。
こんなにも深い親子愛をまっすぐに見せられたら、もう何も言えやしない。
親子関係は人の根本にある人間関係。
親を深く愛せない人間に、他の誰かを深く愛することができるのかな―と自分に問いかけてみる。
リリー・フランキーについて、私は多くを知らない。
軽やかににやけて生きるおしゃれな男の人、くらいにしか。
彼の書くイラストもそんなに好きではない。
本は読んだことがない。
でもこの『東京タワー』を読んで、いっきに彼のことが好きになってしまった。
そして、彼がどうして、あんなにもメディアに愛される男なのか、ようやくわかった。
彼はきっと愛を知っているから、おかんの息子だから、魅力的で、みんなを惹き付けてやまないのだろう。
ピアノの森<たけのこ>
- 一色 まこと
- ピアノの森 1 (1)
久しぶりの大ヒットです☆
いま流行ってる『の○めカンタービレ』よりずっと面白いですね。
まぁこれは個人の趣味なんでなんともいえないんですが、
タケノコ的には『ピアノの森』読んだあとに『の○め』読むと
すごくスケールが小さく感じるんです。
ホント素晴らしいんです。
あらすじは…
主人公の名前は『海(カイ)』という少年。
彼は『森の端』という売春街に生まれ母親と暮らしている。
『森の端』はその名の通り森に面した街であり、
その森には誰も弾くことの出来ないピアノが捨てられていた。
『海』はあるきっかけにより、
その謎のピアノを幼い頃から弾きこなし、遊んでいた。
謎のピアノを唯一弾くことのできる『海』の才能は
次第に周囲に認められていくが…。
って感じです。
まぁ既に9巻まで発売されていて話もだいぶ進んでいるんですが、
これ以上はちゃんと読んだ方がイイと思うんで書けません。
スゴイ作品です。
文学的でね、雰囲気があるんです。
キラキラしていて、胸がドキドキするみたいな。
もうタケノコの拙い表現じゃ言い表せないです。
これを読まない手はないです。
みんなに読んでもらいたいんだけど、秘密にしておきたい…
実はそんな気持ちもあります。
でも絶対読んでください!!
それくらいオススメです!!