西瓜 | hirari

西瓜


hirari-cherry

朝ゆっくり起きて、大掃除。
おふろをピカピカに磨き上げ、
トイレも念入りに掃除し、
部屋中を水ぶきする。
道に迷いながら下北沢へ自転車を飛ばし、ひとつ仕事を済ます。
帰りがけに魚屋とスーパーとパンやと花屋へ。
そしてバーっと料理にてをつける。


ラディッシュ浅漬け
なすのマリネ
オリーブ
イチジクのパン ドライフルーツをたくさん添えて
ホタテのカルパッチョ ベビーリーフと一緒に
フルーツトマト、いんげん、バジル、オリーブの冷たいペンネ
エビのローズマリー焼き
アサリのパエリヤ
すいか

魔女の豆ご飯
有名なたこやき
ナオキのレモンケーキ
後輩が焼いたキャラメルくるみケーキ
西から来たバームクーヘン


まえの部署の女の子たちを家に招く。
先輩と後輩と後輩の友達と、

近所に住むかつての同僚と、

魔女と、地方に住むかつての同僚と、

突然学生時代の友人。

狭い部屋に女ばかりが7人で、かしましガールズトーク。
図らずも誕生日を祝ってもらった。


夏に人を呼ぶと、私は必ずすいかを用意する。
すいかって団欒の象徴なんだ、私にとって。
夏の夜にテレビを見ながら三角にカットされたすいかを
家族全員で食べているシーンがしっかりと心に刻まれている。
だから夏に人が来ると
私は必ずすいかを買っておく。
お客様が食べにくいから、黒と緑の皮は切り落として、
ブロックにカットして、アンティークのガラスの器に豪快に盛る。
みんなで食べると、なんとなく団欒、って気持ちに勝手になっている。


女の子がふたり泊まっていって、
小さな部屋で3人で眠ったのが、
まるで修学旅行みたい、とそっと思った。
珍しく涼しい夜に、窓を開けて
キャンドルの光だけで3人で天井を見ながら
少しだけ話をした。
いちばん早く眠りに落ちたのは私だったように思う。