まき村 | hirari

まき村

桜の花が散ってしまった、と思ったら

八重桜、山吹、白柳、藤の花、そしてばら。

私が住むマンションの前のおうちにこぼれ落ちるような

大輪のばらが咲いていて、いつも心奪われる。

なんと、なんという季節でしょう。

ひとつの花が終わったと思ったら、また次の花が咲く。

色とりどりの花たちが町中を彩ります。


自転車通勤を始めてから半年が過ぎて、

外にいる時間が増えたからなのか、

私は季節の移ろいを肌で感じられるようになり、

少―しだけ鼻がよくなったように思う。

季節の香りを鼻がききわけている。

夜のほうがいろんな香りを感じる。

そして、電車に乗る回数と雑踏を歩く回数が減った分、

世界の流れについていけなくなったように思う。


今年の春は青い服ばかり買っている。

いっときは緑のものばかり買っていた時期もあったし、

ピンク狂いのときもあった。

いまはブルーな気分。


五月晴れの空色のスカート。

満天の星空のようなドット柄のコットンワンピース。

離島から見た海の一番鮮やかな色のサテンワンピース。

夜の闇のような麻のワンピース。


そして離島から見た海の一番鮮やかな色の

サテンワンピース を着ていったら、

ひとりは8月の真っ青な空色のシャツを、

もうひとりは日が昇ったばかりの夜明けの空の色のシャツを着ていて、

チーム・ブルーだと笑った。


大森のまき村で食事。

先付け3種盛り

平目入りさわ煮

お刺身5点盛り

大皿にとうもろこしの天ぷら、鮎の稚魚塩焼き、姫筍を焼いたもの

揚げ出し風豆腐

鯛茶漬け


先付けがどれもイマイチのような気がしたが、

大皿が出てきて、目を見張った。

大きな土色の皿に、

とうもろこしの天ぷらと鮎と姫筍が 豪快に、

でも美しく盛り付けられており、

勢いがあってでも上品で、

感動を誘うひと皿だった。

そのあとに出てきた揚げ出し豆腐も、

中の豆腐がまるでクリームのように柔らかで

豆腐だと思えないようなものだった。

久しぶりにおいしいものを食べたような気がする。


1年に何度しかない素晴らしく気持ちのいい午後を

どこで過ごすべきかと、都内中の芝生を厳選する。

芝生に寝転んで、 私は熟睡し、

ひとりはすずめを餌付けし、

ひとりはケータイで調べ物をしていた。

マロニエ通りをあちこち冷やかし、

私はブラジルで作られたという、

バラの花のついた靴を買った。


夕ご飯は豚のしゃぶしゃぶ。

先日お店で食べた豚しゃぶをまねて、

濃い出汁を漬け汁にして食べる。


豚しゃぶ(豚、レタス、豆苗、水菜)

まぐろの頬肉ワイン煮

塩豚薄切りをにんにく味噌と一緒に

デザートは焼きたてアールグレーとローズマリーのクッキー