スラムドッグミリオネア | hirari

スラムドッグミリオネア

薮原十区でむつの魚定食。

雨のなか、麻布商店街をつっきって

抹茶ワッフルとカスタードワッフルと杏ジャムワッフルを買った。

それからたい焼きと和三盆ロールを食べる。

大江戸線で六本木に行って、

いくつかの店をひやかしてざあざあぶりの外を眺めながら

ワッフルを食べたら、すごく眠くなってうとうとした。

夜ご飯は、豚肉のゆあん焼き、わさび菜のおひたし、しじみの味噌汁とラーメン。


嵐のあとの澄んだ空気は

大きく吸い込むと体の中がきれいになったようになる。

キャベツとトマトとアスパラとベーコンのスープに

焼いたバケットをひたして食べる。

日比谷で「スラムドックミリオネア」を観た。

それはもう爽快で文句なしに面白かった。

エンドロールとか勧善懲悪な感じとかけっこう

インド映画らしく作ってあって、わーと思う。

音楽とカメラワークが最高で、

脚本や構成も素晴らしかった。

インドにおける子どもの問題とか、割とリアルな話もあるのだけど、

それはそれでさらっとしているというか、

まあ完全なエンターテインメントなのだし、

全然気にならなった。

私はムンバイには行かなかったけれど、

でもインドのあのムッとした空気、

牛のうんちと排気ガスが混ざったような臭い、

エネルギーを秘めたひときいれ、

インドの雰囲気がもうあと1ミリってとこまで

私を包み込んで、懐かしくて涙が出た。


コーヒー買って日比谷公園のベンチで噴水を眺め、

ソフトクリームを食べながらふらふら歩く。

そして芝生に入って、寝転んだ。

雲がものすごい速さで流れていく。

いつも大地に背中が触れると不思議な気持ちになる。

イギリスの田舎町も

ブッダガヤのオアシスも

陽朔の川沿いも

牟礼の小さな丘も

波照間の砂浜も

すべて大地でつながっていて

そして私自身と私の中に流れる時間はつながっているのだ、

と思って軽く眩暈がする。

黙っていたのは別に心地いい時間が流れていたからではなく、

心が遠くに飛んでいってしまったからだと思う。


夕方にひらひらと手を振り、魔女の家へ。

せんびきやのアイスとイタリアの形をしたリモンチェロを持っていった。

ひとつひとつを忘れないようにね。

魔女が私にしてくれたこと。

私を常に正しい道へ導いてくれたこと。

魔女と話していて、あなたはなんと大人になったことでしょう、

と魔女に言われて気づいた。

あのころから比べたら、

私はなんと我慢強くなり、優しく強い心を持ちえたことだろう。

それは私が大人になりたいと心から望んでいたからに他ならない。


変化を恐れてはいけないこと。

変化を恐れたら時代から取り残されてしまう。

声に出さないと伝わらないことがたくさんある。

人との関係において忘れてはいけないこと。