大人はいいなー | hirari

大人はいいなー

大人はいいなーとぐるぐる酔っ払った頭の中で思った。


学生時代の同級生の女の子が結婚して、
その結婚パーティー。
水辺のオープンカフェで花火を見た。


楽しかったのはそのあと安い居酒屋で
みんなで飲んだこと。
みんなで集まったのは2年ぶりのことだった。

もう半分が結婚していて、
家を買う話とか、子どもの話とか、
きちんと地に足が着いた話をしていて
なんだか私が普段している話と違いすぎる!と思った。
よく飲む男の子につられて、じゃんじゃん飲んでいたら、
すっかりいい気分になって、
昔つきあっていてもう結婚してしまった男の子に絡んだりして、
そうしたらますます楽しくなってきて、
なんかよくわからないけど笑いが止まらなくなった。
みんなで、いろんなことを話した。

多くは昔の話。
いまはもうキレイなホテルになってしまった古い合宿所のことや、
誰と誰がつきあっていたかとか、
学生時代にみんなで言い合いになったわけのわからないケンカや、
みんなして真夜中に私の家に遊びに来てそのまま泊まったことや、
卒業旅行で真夜中まで先生にプレゼントするアルバムを作ったことや、
卒業式のあと、男の子の家に行ってみんなでコタツに入ってしゃべったことや、
先生の悪口とか、素敵だった先輩のこととか、あまり後輩を可愛がらなかった反省とか、
そして私は昔つきあっていた男の子とつきあいはじめたきっかけを話したりして、
みんなでお腹を抱えて笑った。


私たちはみんな、育った場所も環境も、聞く音楽も、好きな映画も、価値観も全然違う。
与えられたこの場所で出会わなければ、絶対に友達にはならなかった。
間違いなくそういう私たちだった。
そういう意味では本当に稀有な集団だと思う。


私たちは素敵な大人になったね。
あの頃はいつも自分のことばかり一生懸命で
みんな人に優しくなれなかった。
でもそれが若いってことだった。

いまの私たちは、
優しくてデリカシーがあってみっともないことを笑い飛ばせる。
自分に自信がついて、ずっとずっと強くなった。

10年前の思い出話がこんなにも楽しいなんて、
10年前の私たちは知らなかった。


既婚者が多いから10時までね、と飲み始めた会は
気づいたら12時をまわり、それでも帰りがたく、
次に時計を見たときは終電も行ってしまった後だった。

タクシーに乗って、女の子としゃべりながら
私は同じ話ばかりを繰り返し、
ぐるぐるまわる頭の中で
みんなだいすきーとばかみたいに思っていた。


本当に。
年をとってみるものですね。