美しさ | hirari

美しさ

親しい友人たちと久しぶりに食事をする。
ひとりが、東京で働くことをお休みして実家に帰るというので、
その送別会みたいな感じ。

どうして、こんなにも長い間この3人で会わないでいられたのか信じられないと思った。
本当に本当に大切で大好きな友達。
アヴァンギャルド・チャイナ。
イントゥザワイルド。
ふたりの女の子の話。
思い思いに自分の意見を言って、
その意見はちがうけど、すごくよくわかる。
頭がくるくる回転して、言葉が次々と出てくる。
シンパシーの気持ちでいっぱいになって、心と身体が満たされる。


二年前の私たちは、たくさんの映画を一緒に観て、
旅行しておいしいものを食べ、
ばかみたいにお酒を飲んで、
一晩中むかしの歌を歌って、
本当に本当にたくさんのことを話した。
話しながら子供みたいにわーわー泣いたり、
おなかがよじれるくらい笑ったり、
大人気ない大声を出して怒ったりした。
あのときのことを思い出すと涙が出てくる。
楽しくていとおしい時間だった。
私の人生に訪れた、最後の「青春」のひとときだったと思う。


人と心がつながるということ。
それが、人生において最も幸福なことだと私は最近思うのだけど、
この3人でいると何度もそういう瞬間があった。


美しさ。オーベイビー。
ポケットの中で魔法をかけて。
心から。オーベイビー。
優しさだけが溢れてくるね。
くだらないことばっかみんな喋りあい。
町を出て行く君に追いつくようにと強く手を振りながら。

いつの日か。オーベイビー。
長い時間の記憶は消えて。
優しさを。オーベイビー。
僕らはただ抱きしめるのか?と。
高い山まであっというま吹き上がる。
北風の中 僕は何度も何度も考えてみる。


仕事をしていても、昨日のことばかりが繰り返し波となって押し寄せて、
何度も何度も泣きそうになった。
私の心の中には小沢くんの「美しさ」バージョンが何度も頭を駆け巡り、
体中からあふれ出す優しさとか悲しみとか愛おしさをとどめるように、
涙をこらえ、ため息をつくしかないのです。
あんなにも楽しくて美しかったあの時間の中に生きられたことを
幸せに思う。

そしてあのとき予感がしたとおりに、
私は二度と戻らない美しい日にいたのだと思った。
静かに心は離れていく。
だけど、私の心の中にはいつもいつもずっとずっと2人がいつづけて、
私の心は彼らとつながっているような気がする。


ミリオンダラーベイビー。雨。マチルダ。ウィスキー。オジョリ。花火。浴衣。ビデオ。
ドゥマゴ。京都。夜のミッキーマウス。あのひとがきて。あきるくらいの紅葉。いづう。
新幹線とビール。ゆれる。水道橋のファミレス。立川談春。ジンギスカン。
オリバー・ツイスト。ホテルルワンダ。ファームグリル。
目黒川の桜。隅田川の桜。あきるくらいの桜。自意識と愛と水。


だいすき。