男の子と女の子 | hirari

男の子と女の子

わーと思うくらい素敵な男の人に会う。
いつも素敵なシャツを着ている。シンプルで素材がいいやつ。
料理が上手で(らしい)本当においしいものをよく知っている。
本の趣味が似すぎていて、とってもとってもびっくりした。
「向田邦子のエッセイが好きで」
と言われて、びっくりしすぎて、私は黙ってしまったくらい。

生まれた場所も育った場所も違うのに、
好きなものが似ている、というのは本当に素敵なことだと思って、
恋とかとは別に、いつかそのうち大切なお友だちになれたらいいな、と思った。

久しぶりに本の話をした。
本の話をすると、私はいつも自分が小さな中学生の女の子だったときのことを
思い出します。
どの場面が好きか、どうしてそのときあの主人公は泣いたのか、
そんなことを一生懸命一生懸命友達と話した。
同じ場面が好きだったら、一気に仲良くなったような気がする。
あのときの小さな興奮を思い出しながら、
本の話をした。
本を好きな人と、本の話をするのは本当に幸せなことです。

彼は「電車で本を読んでいる女の子を見ると5割り増しにかわいく見えます」
と言って、笑いながら私もすごくよくわかる、と思った。
図書館で会う男の子はいつも5割り増しだったから。

あーこういう素敵な男の人っているんだなあ。
きっとこれからまだまだこういう人にたくさん出会うんだろうなーと思って
なんだか可笑しいな、とくすくすひとりで笑ってしまった。