ひよこ | hirari

ひよこ

昼間の電車に乗りこんだら、
大量のひよこ!
じゃなくって、黄色い帽子をかぶった1年生の大群。
遠足なのねーと思って、ながめる。
ゆれる電車に体を揺らしおっとっとと。
みんなで手をつないだり、服をつかんだり、連なりあっている。
必至に手すりにつかまろうとしてたり、電車が揺れるたびに「ぎゃー」「わー」って声があがったり、
見てるだけで面白い。

大量のひよこに囲まれて、
なんだか話しかけずにいられない
サラリーマンや、大学生の男の子や、スーツを着た女の子。
そう、黄色い帽子がまぶしすぎて、触れずにはいられない。
そんな気持ちは誰にでもあって、本当はみんな子供を社会の宝だと思っている。
だけどそれを表現する場所がないだけで、と思った。

ぴーちくぱーちくはしゃぐ子達をじっと見つめる。
あーこの子たちも20年たったら、すました大人になるのだなあ、と思ったら、
おかしくて笑えて泣けた。
私やこの電車に乗っている大人たちも20年前、30年前、40年前は
ほんのちいさな何もわからなくて何もかもが新鮮でしかたなかった子供だったのだ、
と思ったら、おかしくて笑えて泣けた。

子供たち!
たくさんご飯を食べて、たくさん眠って、たくさん笑って、たくさん泣いて、
たくさん水を飲んで、ゆっくりゆっくり歩くのだ。